月別アーカイブ: 2020年4月

浮気したい女

わたしはA子。

浮気調査を恐れつつ今の生活を変えたくてなんとか頑張ろうとしています。

主人と結婚して10年。

誰もが通る、倦怠期?ってやつですか?夫婦にも当然やってくるのですね。

住いは名古屋近郊。

子供は2人で2人ともが名古屋の小学校に入ってからとても子育てが楽になった。

主人とは夜の生活は一か月に一度あるかないか。もうそんなことするのがとても苦痛なんです。なので離婚まで考えてしまう始末。倦怠期なんて言ってられない。名古屋の近くの実家に帰ろうかな~なんて考えているんですが、実際問題、実家に戻ると言うのも肩身がせまいし、なにより、実家とは折り合いが悪くて居たい場所ではないと思っている。なんとか子供たちと私で何とかやっていかなくてはならないのかな…って思いますけど。やっぱり子供のことを考えると、まだ少し離婚は早いかな…。と、離婚には踏み切れないでいるのです。

それならば、名古屋近郊での生活を少しでも楽しいものにしたい。すると、地元の友達が今不倫にはまっているとのこと。友人達も名古屋近郊に住んでいる子が多い。なにそれーーーー、と言いながらも、友達が話す内容がとてもうらやましくて。なんで、うらやましいと思ってしまったのだろう。自分の生活が充実していないからだろうか?なにか物足りなさを感じているのだろうか…。主人に対して持つことがないであろう感情を持ちながらの生活。その名古屋の友人にどうやって知り合うのか聞いたらSNSでメッセージを送り合うような仲になり、そこから二人で会うようになり、そして不倫関係に陥ったということだった。そんな事たら、浮気調査の対象者になっちゃうかもしれないよ?なんて冗談っぽく言っていたのですが、「そんな自分が浮気調査の対象者になってしまうことなんてめったにないことだよ~。」って秒で返されて、そんなものかな~って感じでした。

今の時代は何でもかんでもSNSなのか?例え出会いの多そうな名古屋にいたとしてもSNSがあるからその分名古屋での出会いの機会も多くなるのだろうか。

名古屋に住む彼女たちも最初は多少旦那や子供たちに罪悪感があったそうだし、浮気調査の対象者になってしまうんじゃないか?って、多少ドキドキもしたそうだ。

多少?ホントかな~?浮気調査の対象者にならないなんて、保証はどこにもないし…と思いつつも、名古屋の友達はその浮気調査をされているのではないかというようなスリルを味わったり、恋愛のような新鮮さを味わいたいために、つまらない日常生活から抜け出すために不倫を繰り返しているそう。わたしもやってみたい…。でも、浮気調査の対象者になってしまうなんて、ごめんだしな…。そんなよからぬ気持ちが、自分の心をよぎった。実際に名古屋でうわきをしていて、浮気調査をされてしまった友人がいたのなら、私もそこで踏みとどまっていたのかもしれないが…。

SNSで浮気相手を探すということを聞いて、さっそくしたこともないSNSを登録してみた。自分が名古屋で浮気調査の対象者になるかもしれない危険を感じながらも。その結果、自分あてに「友達かも?」という人達はたったの5人しか上がってこなかった。しかもみんな女性。高校の友達のみ。

これだと名古屋で浮気をしてくれる男の人には出会えるはずもない。そんな事だから、浮気調査の対象者になるなんて事もないわけだけど。

もっともっと男性との友達を増やしたい。どうすればいいのか?考えても分からなかったのでいまだに、浮気はしているが浮気調査の対象者にはなってはいないという、浮気知識がある大先輩の友達に相談してみたら、すんなり教えてくれた。

まずは興味のあるグループに申請して承認してもらうということだった。へ~。そんなことでいいのか?浮気相手を探そうとしているのに、ラーメン関係のグループってどんな感覚なんだって感じですけど、ラーメン関係のグループに目を付けた。ラーメン?って思うかも知れませんが、以外に食の好みって同じ字時間を共に過ごすにはけっこう大事な項目ではあるみたいなんですよ。名古屋の友人で性格はそんなにかみ合わないなんて思ったことないけど、食べ物の好みが合わないことで一緒に名古屋で何かを食べようかという事なっても、食べ物の好みがあわないので結局合わせるしかないんだけど、何となく寂しいよって話しているのを聞いたことがあったからです。

自分の身に及ぶかもしれない浮気調査を気にしながら、名古屋でラーメンを一緒に食べるのもどうかと思いますが、ラーメンでも個室のように、隣で誰が食べているか分からないお店もありますものね。

まず、性格よりも浮気調査のように食べ物の好みの調査をするのもいいのではないかなぁと思いました。

そのグループ中に誰か友達がいれば、その 友達からグループへの追加をしてもらう方法が簡単らしいのだが、誰もいない。

なのでグループに申請をした。すると、たくさんの人からイイね!がきた。

承認欲求がみたされるとはこのようなことなのか…。確かに、すごくうれしい。

そして浮気調査の対象者にはいまだなっていないという先輩たちから、その中から仲良くなってよさそうな人あてに個別にメッセージを送ってみたら?と言われていたので、手当り次第にメッセージを送った。友達になってください…と。こんな事をしている自分は。本当は浮気調査の対象者になりたいのか…って思ってしまう。いやいや、浮気調査の対象者になりたい訳ではない。平凡な人生から抜け出したいだけなのだ。

友達から直伝されたSNSでの不倫相手を探し出すやり方。手当り次第、自分にイイね!をしてくれた男性に個人的にメッセージを送り、それで返事がきた人と仲良くなっていくというやり方。名古屋近郊だろうが、名古屋から遠かろうが問題ではないといいたいところだが、実際に会う事を考えたら、それほど名古屋から離れていない方が会いやすいだろうし、多少距離があった方が、バレづらいという変な安心感もあるような気がした。名古屋の浮気調査の探偵から逃れるためなのか、浮気相手のパートナーから見つかりずらいということなのか…。

浮気調査の対象者になることを恐れながらも、だいたい50人ぐらいの男性に

「お友達になってください。」

というメッセージを送ってみた。我ながら、そんな時間がよくあったものだ。程よく、名古屋からアクセスのしやすい人を選んでメッセージを送った。

すると、返事がきたのはほぼほぼ全員!すごく嬉しかった。これは女性としてみてくれているということなのか。私と同じように非日常を求めている人が沢山いると言うことなのだろう。

その方たちと、自分のこと、相手のこと、ラーメンのこと、私生活のこと、たくさんのメッセージをやり取りしていった。この中に、実際に名古屋辺りに住んでいて、浮気調査の対象者になってしまう人はいったいどれだけいるのだろう。

そのやりとりをしているだけで、楽しいものだなと感じ、浮気調査の手が自分の身に及ぶかもしれないという不安は、その時点で全くなくなってしまっていたのが恐ろしいとこりなのですが…。

見ず知らずの男性たちにメッセージを送ってみたら、その中から40代の男性から、今度直接会って、お話しない?という誘いのメッセージがきた。やった!

なのでLINEを交換し、その男性も名古屋周辺が生活圏という感じだったのでLINE上で連絡を取り合うようにした。その男性はYということにしよう。

そのYは県内でも有名な会社の部長らしい。SNSの写真をみるとお金にはまったく困っている様子もない。ゴージャスな時計に、ピカピカの革靴。そしてピシっとしたスーツ。見た目ははげていて、少しぽっちゃり。でもLINE上でのやりとりはとても楽しく、話し上手なのかな~という印象で彼に惹かれていった。

とあるSNSで個人的にメッセージを送り合うYから今週の土曜日、ランチでもしようか?と言われたのだが、昼は子供の送迎で難しいため、夜なら大丈夫だと返事を返した。すると、なら土曜日の夜7時に○○居酒屋で待ち合わせをすることになった。

このやりとりは一番身近な浮気調査の人、私で言う母に知られたら絶対にいけない。勿論、旦那さんに知られてもいけないのだが…。約束の明確な日時が決まったということで、時間が湧いてきた。自分の容姿を鏡でみて愕然とした。このぼさぼさの髪をなんとかしようと…。いくら名古屋近郊で会うからと言って、男性と出会うのに手をかけないで会うわけにはいかない。今日は水曜日。時間がない。すぐ近くの名古屋の美容室に連絡し予約をした。

いつもは自分のことは二の次に考えていたのに、今回はとても行動が早い自分に多少驚いた。そんなに、名古屋での浮気に前のめりなのか?

次の日に美容室の予約がとれて、ウキウキで美容室に向かった。きれいになった髪をみて、自分がどんな風に見られるのかとても不安だった。でもはやく会いたい気持ちもあった。土曜日が待ち遠しかった。

主人には、名古屋の地元の高校の友達と飲みに行くと伝えると、「ふーん」となーんの興味も示さずに返事をした。(あ、本当にわたしのことなんてどうでもいいんだ、疑うこともしないの?)と思うと、旦那がとても気持ち悪い存在にかわった。まだ、会ったこともないY氏のどこにそんなに惹かれているのか自分でも分からなかったが、確かに気持ちが高ぶる自分がいたのだ。

待ちに待った土曜日。自然と朝からそわそわしてしまう。子供や旦那に悟られないように、しなくては…。子供たちには「夜お母さんいないから、お父さんの言う事聞いてね。」と言うと、「うんわかったよ。でもはやく帰ってきてね、寂しいから…」と言われてしまった。少し罪悪感がでてきてしまった。

夕方になり、子供たちのご飯を用意しては約束の名古屋の中心部辺りのお店を目指しました。名古屋中心部の待ち合わせ場所に6時30分に着いてしまった…。

Yと待ち合わせとなった名古屋中心部あたりの場所はとてもおしゃれな雰囲気の居酒屋。どうしよう、デニムなんて履いてこなければよかったとさっそく後悔。しかし、旦那には同級生と会うと言ってあるから、あまり綺麗にして言っても疑われてしまうかもしれない…という事は考えた。その時も自分が浮気調査の対象者になってしまうかもなんて思ってもいなかった。

車の中で待っていたら、YからLINEがきた。「少し仕事の関係で遅れそうです。すいません…。もしよかったら先に店に入っててください。」

その名古屋中心部の店に入って通された個室の部屋で待っていると…。少し遅れてYが息を切らしてきた。

見た目もSNS上の写真でみたまんま。名古屋中心部のその店でYと向かいあって、席につくと、お互いはじめまして。と挨拶をした。最初は多少気まずかったものの、2人ともお酒が入ると上機嫌で話が盛り上がり、とても楽しい時間に感じられた。

気付いたら11時。旦那から、「子供たちもう寝たよ。」とLINEが入ってきた。(だからなに?)と思ってしまう。お酒の力で、気が大きくなってしまっているのだろうか。ひどい女だ。LINEを無視していたら、彼が「じゃあそろそろでますか?」といった。わたしは「はい…」と言うと、彼は「その前にちょっとお手洗いへ行きます。」というので、その場で待っていた。

すると、彼が戻ってきて「外へでましょう」と言うので、レジに向かったら、お店の方がもうお支払は済んでいます、とのこと。気を利かせてさっきのお手洗いのときに支払いを済ませてくれたらしい。彼のスマートさにとても好感が持てた。

わたしは外に出てY氏にお礼を伝えた。すると、彼はもうそろそろ帰らないと旦那様が心配されますよね。というが、帰りたくなかった。子供たちももう寝たし、旦那も待っていないだろう。

「もう一件この名古屋辺りで、入りませんか?ごちそうしますので。」とY氏に伝えると、Y氏は「今日はやめておきましょう。また今度の機会にお願いします。」という返事だった。がっかりして、タクシーに乗って名古屋近郊の自宅へ帰った。もしかしたらこんなおばさん嫌だったのかな。デニムで行ってしまったから…?もっとおしゃれしていけばよかった。帰ってからも悶々としていた。しかし、帰ってすこし冷静になった自分に戻った時に、もしかして浮気調査されていたら、この後別の店に入りその先どうなっていたか分からないが、動かぬ証拠として写真を撮られていたかもしれない…。そう思うと、浮気調査の手を逃れられたかもという安堵感を感じずには居られなかった。

浮気調査をされて、自分のこの先どうなってしまうのかなんて深くも考えていない。

浮気調査の対象者になるかも…なんて深く考えていたら浮気なんて出来ないのだ。

そんなこんなで、浮気調査からは免れた第1回目の外出から帰宅。シャワーを浴びて部屋に入ると、Y氏からLINEがきていた。とても楽しかったと。次も会いたいから今日は我慢したんだと。わたしの家族に気を使っている心遣いだったのね。そんなやさしさに自分の気持ちはふくれていった。

あの居酒屋からの毎日、彼とのLINEがとても楽しみでしかたなかった。「おはよう」や「おやすみ」というたったそんなありきたりな言葉だけど、ちゃんと返信してくれるY氏のやさしさに溺れていった。自分ってとても単純な女だったんだと気付きました。

一週間後に彼からLINEがきた。次の会う約束のLINEは、平日ど真ん中の水曜日の夕方どうですか?ときた。浮気調査の目から何としても逃れながら会わなくてはならない。

来週の平日か~。子供たちをどうしようか。旦那はちょうどその日は水・木と泊まりの出張だったのを思い出した!名古屋にほど近い隣町の実家に子供たちを預けようか。は実家とあまりいい関係ではないけれど。

よっぽどのことが無い限り、名古屋の隣町の実家には行かないし、実家からも連絡がまったくない状態だった。でも、こんなチャンスはないから、母親に連絡してみよう。どうにかお願いして、子供たちを預かってもらおう。子供を預けて、男に会いに行くだなんて、分かったらどんな顔をされてしまうだろう。学校は朝一で母親に送って行ってもらうようにもお願いしよう。

一年ぶりくらいに、名古屋近郊の実家の母親に電話をした。変なの。実家に電話するだけで手が汗ばんでいる。プルルプルル…母親「なんか用か?」久しぶりの娘に言う言葉じゃない。だからわたしはこの家族から離れていったのだ。

でも名古屋で彼に会うためにはお願いしないといけないから、母親からの対応にはぐっと我慢した。浮気調査の対象者になり得るような行動を今から実行に移そうとしているという罪悪感と、なんとかこの状況を変えたいという執念にも似た様な気持ちが入り混じっていた。

「久しぶり…。あの…、お願いがあるんだけど…。来週の水曜日子供たちお願い出来ないかな。わたし、仕事で水・木と出張になってしまって…。あいにく旦那の出張も重なってしまって…。木曜日の朝に学校にも送ってもらえるとありがたいんだけど…」

母親からの電話での返事は…。

「えーーーー。それやといくらかもらわないとあかんね~。まあいいわよ。孫たちにも久しぶりに会いたいし。あんたはどうでもいいんだけど。」本当に一言二言多い人だ。

だから嫌いなんだ。水曜日の子供たちが学校終わってからすぐに連れて行くことを伝えた。これで準備は万端だ。

Y氏にLINEを送った。来週水曜日OKですと。するうと、彼から返事がきた。とっても楽しみです。お店はまたこちらで決めてご連絡しますとのこと。

水曜日まであと五日。その間は頑張れそう!

とうとう前日の火曜日になった。この五日間本当に長かった。彼とのLINEもそうそうやり取りする訳じゃないから、なんとしてもY氏に早く会いたいと言う気持ちがどんどんと大きくなっていく自分がいた。

もうこの気持ちどうすればいいのだろう。旦那と別れて彼と一緒になりたい。そんなことまで思うようになってしまっている。そんな風に考える自分は気が早いのか…。

しかし、それには浮気調査の手を逃れなくてはならないのだが、もう先の見えないなにかに入り込んだような気持ちだった。こんなことを思ってしまう自分がとても怖かったのも事実だ。子供たちを見捨ててまで彼と一緒になるなんて。

もしかしたら自分の妻が浮気調査の対象者になるかも知れないこんな時に、、旦那は出張の準備をワクワクしながらしているようだった。出張ってそんなにわくわくするものか?自分で買ってきたかなんだか知らないが、カラフルな下着のパンツとかいそいそとスーツケースに入れていた。たぶん出張先でなにかあるんだろう…。

でも本当に興味がない。旦那が浮気していようがいまいが。わたしにとって旦那の存在はただの生活の資金源。子供たちにとったらたった一人のパパなんだろうけど。それらがあるから離婚はできないのだ。

火曜日の22:00すぎにY氏から待ち合わせ場所と時間のLINEがきた。名古屋の繁華街の一角のおしゃれなイタリアンのお店らしい。時間は19:00でどうでしょうか?とのことだった。

本当に彼はいろんなお店を知っている。今までわたしが行ったこともないような名古屋といえど落ち着いた雰囲気のおしゃれなお店ばかり。本当に楽しみだ。

今までのつまらない名古屋での生活が一転して夢のような世界を見させてくれる彼に本当に心から惹かれていった。明日やっと彼に会える。そんなドキドキした気持ちを抱えて眠りについた。同じ名古屋でこんな風に繋がって、こんな気持ちにさせてくれる相手に会えるとは…。

朝旦那が出張なのにウキウキ気分で朝の5時すぎに出張に出かけて行った。あきらかに出張じゃないだろう。本当に旦那はばかだ。わたしはそんな風にばればれに浮気はしない。きっと浮気調査にもみつからないそ。でもそんなことどうでもいい。

子供たちの名古屋の隣町にある実家での泊まりの用意を終わらせ、子供たちに

「今日は遊びに行かないですぐにおうちに帰ってきてね。」と念をおして名古屋の学校に送り出しました。子供たちは分かったよと言って、名古屋の学校に向かいました。子供たちはこんなお母さん嫌いになるだろうな。そんな母親としての嫌悪感がでてきていました。だって、自分のお母さんが浮気調査の対象になるかも知れない行動をしようとしているのだ。

やはり、自分が母親なのだというのがどこかしこに出てきてしまう。

夕方、16:00すぎに子供たちが学校から帰ってきました。子供たちの荷物を積んで名古屋の隣町の実家へ向かいました。車の中で、子供たちに

「お母さんおめかししてどこ行くの?とってもかわいいよ。」

と言われ、ドキッとしました。旦那より子供たちのほうがわたしのことよく見ている。びっくりした気持ちを落ち着けて、

「お母さんも会社で出張になっちゃって…。お仕事だから仕方なくてごめんね。だから二人ともばあばの言う事ちゃんと聞くのよ。」

と苦し紛れに言いました。

一年ぶりの名古屋の隣町の実家につきました。母に会うのが一番苦痛だ。さっさと子供たちを預けて出発しよう。

ピンポーン。「はーい」と母がでてきた。「ばあば久しぶり~」と子供たちはさっさと名古屋の隣町の実家に入っていった。「久しぶり。今日明日子供たちの子と宜しくお願いします。」

緊張しながら話したら、母は頭から足先までなめまわすように眺めてこういった。

「あんた実家に子供たち預けてなんかおかしなことするんじゃないだろうね。よく考えなさいよ。」

わたしは母からでた言葉にびっくりした。やっぱりこの人にはなんでもお見通しなんだ。こんな身近に浮気調査員みたいな人がいるなんて、本当に嫌だ。昔からそうだった。付き合っていた彼氏も初めて親に紹介したら、彼が家から帰ったら母はこういった。

「あの男はやめときな。あんた以外に女がいるよ。」

おまえは、浮気調査員か?彼の何を知っているんだ?実際その後、ある友達から彼氏は、私とは別の子と二股をかけていたのだ。母の見る目のするどさには本当に驚かされた。見る目ではなく、知らないところで、素行調査みたいに調べていて、結局のところ浮気調査になったみたいな感じで、娘以外の女と一緒にいた彼を見たのかもしれない。

だから今回も実家を頼りたくなかった。

「はあ?どういうこと?これから仕事なの。変なこと言わないで。もう時間だからいくね。子供たちのことお願いね。」わたしはその浮気調査をするような母のところからさっさと立ち去りたかった。

浮気調査をするような実家の母にズバリなことを言われて、気が動転し、車の中で気持ちを落ち着けるために、数年やめていたたばこを吸った。

久しぶりのたばこはクラクラさせた。でも、すごくおいしい。子供ができてからずっとやめていたたばこの味。実はこの前のY氏との食事のときに酔った勢いで一口たばこをもらったのだ。それからたばこの味が忘れられなくて、もしかしたらというときの為にコンビニで一箱買っておいたのだった。

だんだん今までの自分ではなくなるのを感じた。ただつまらない女になっていたのをY氏が特別な女にしてくれたのだ。

たばこを吸い終えてそのまま名古屋中心部の待ち合わせ場所のイタリアンに向かった。時間も18:40。ちょうどいい時間だ。早くY氏に会いたい。膨らむ気持ちをおさえつつ、名古屋のイタリアンのお店に到着した。18:55。

Y氏に約束の名古屋のイタリアン店に着いたとLINEを入れた。すると、僕ももうすぐ着くよ!と返事がきた。先に店内に入っていてとのことだったので、また先に店内に入り、個室に通された。本当におしゃれなお店だ…。恥ずかしながらキョロキョロしてしまった。

Y氏が息を切らせて個室に入って来た。前回とは違ってY氏がとてもラフな服装だったのにもとてもときめいてしまった。Tシャツにチノパン、ジャケットといった格好。

料理がおいしいのはもちろん、Y氏のお話にとても引き込まれていった。とても楽しい時間だった。気づいたら午前12時前。Y氏と名古屋のそのイタリアンの店を出たら、店の前でY氏が後ろから不意に抱きしめてくれた。おさえてた気持ちが爆発してしまいわたしも身をゆだねた。

それから名古屋でタクシーに乗り込んで、名古屋の隣町にあるホテルへ入った。最初はお互い緊張していたが、お酒も入っていたので自分をさらけだすことができた。とてもすてきな時間だった。

朝、9時に目が覚めた。私いつの間に眠ってしまったのだろう。ふと横をみると、隣にY氏の姿はなく、テーブルにメモが残されていた。

「昨日はありがと。急な仕事が入ったから先に行くね。また連絡するね。」

わたしはシャワーを浴びて、名古屋のホテルを後にした。

名古屋のホテルをでて自宅についたのは、午前11時すぎ。誰もいない名古屋の自宅がとても寂しくも感じた。自分をさらけ出すことができてY氏ととてもすてきな時間を過ごしたのに、実際自宅へ帰ってくると、子供たちに対して申し訳ない気持ちになった。やはり、どうしても母親に戻ってしまうのだ。そして、浮気調査をするような母の顔も浮かんで、また嫌悪感が増したのだった。ふと、自分の母ではないが、鋭い観察力をもった人や、探偵による浮気調査が自分に及んでいないか心配にもなった。しかし、名古屋の友人が言うように、浮気調査が自分狙いでされるなんて、めったにそんなことはないだろうって勝手に思い込んでいた。

実家に子供たちを預けてまで、Y氏と名古屋で浮気をしてしまったことに多少罪悪感がわき出て来た。でもY氏に対しても好きという気持ちがあるからもう後にはひけない自分もいた。

洗濯やそうじを一通りして、ソファでボーっとしていたらY氏からLINEがきた。

「昨日は本当にすばらしい時間をありがとう。こんなこと言うのを悩んだんだが、A子さんのことを好きになってしまいました。

実は妻とは今別居中で離婚調停に入る予定なんだ。もし離婚成立したら僕と一緒になってほしい。」と。

わたしはとってもうれしかった。旦那と離婚して子供たちを引き取ってY氏と一緒になりたい。浮気調査の手が自分に及ぶことのないようにきをつけないとね。そして第二の人生を歩みたいですとなにも考えず返信しました。

子供たちが名古屋の学校から帰ってきたら、一目散に子供たちが寄ってきて寂しかったよ。と言って抱き着いてきてくれました。ばあばはどうだった?と聞くと、ごちそうを食べさせてくれて一緒にお風呂に入ったよ。と嬉しそうに話してくれました。わたしにとって意地の悪い浮気調査をするような最悪な母親だけれど、子供たちにとってはやさしいおばあちゃんなんだね。それだけが救いだ。でも次に彼と会うときはもう名古屋の隣町の実家はお願い出来ないな。あの浮気調査ばりの勘をもった母だったら浮気していることがばれてしまうから。

旦那は夜中の3時に帰って来た。出張がこんなに遅い時間なのか。バレバレだっていうの。こっちが浮気しているのはそっちのけで、浮気調査をしてやろうかとさえ思ってしまった。

旦那が寝ていたベッドに入ってきて、体を触って来た。わたしはあまりの気持ち悪さに「触らないで!」と旦那を突き飛ばしてしまった。

旦那は「なんだよそれ!」といってリビングのソファで寝た。もう無理だ。離婚したい。

Y氏と週一回の割合で名古屋近郊で会うようになった。もちろんどこかで食事をして、それからホテルへ…という変わり映えしないもの。でもわたしにとってはそれだけでも十分幸せだった。Y氏と名古屋で一緒にいれる時間がとても楽しかった。Y氏とは、一緒になったらどんな家に住んでとか、子供は一人はほしいねなど、ワクワクしながら話していた。そんな私に浮気調査がもしかして自分も調べられているのかもしれないという疑いはなくなっていた。

彼との不倫関係が約一か月ほど済んだときだった。携帯に非通知で電話がなった。でてみると、低い声の男の人だった。

「もしもし、○○A子さんですよね?こちら、名古屋探偵調査会社です。今電話よろしいでしょうか?あなた、Yさんと浮気してますよね?ある依頼がありまして浮気調査をさせてもらいました。その結果、依頼者はこれからあなたに慰謝料を請求し、そして今後一切Yさんと関わらないという約束をしていただきます。それらに応じない場合は裁判を起こします。」といったものだった。

わたしは話がつかめなかったので、震える手で電話を切ってしまった。探偵?浮気調査…?1つ1つの言葉がよみがえる。すると、また非通知からかかってきた。怖かったので、電話を無視していた。どうしよう。慰謝料ってなに?誰に相談すればいいの?すぐに友達に電話をした。SNSで知り合ったY氏と不倫をし、探偵事務所から電話があったことを伝えた。友達はそれはやばいから、一度探偵事務所の人と直接話をしてみたら?とのことだった。電話が鳴りだしてから五日たっていたので、いまさら浮気調査のことで…なんてこちらからかけてみるのもどうしようかと迷っていたら、自宅のチャイムがなった。

玄関のインターホンにでてみると郵便配達のおじさんでした。

「○○A子さんで間違いないですか?」といって、とある封筒を渡してきました。中身を見てみると、名古屋探偵調査会社からの手紙だった!

「わが社の電話に応じていただけない感じでしたので、文書にてご連絡致します。Y氏の奥様より浮気調査依頼が入りまして、Y氏とあなたが不貞行為を行っているという証拠を浮気調査にて手に入れました。なのであなたに慰謝料を請求致します。請求金額につきましては、折ってご連絡いたします。」

という内容だった。。。なにこれ。Y氏の奥様って別居中じゃなかったの?離婚する予定じゃなかったの?それで私は浮気調査をされていたの?あれだけ、浮気調査されるんじゃないか?って恐れていたのに。友人は浮気調査されないで、浮気を楽しんでいるのに?どうして自分だけが浮気調査をされてしまったの?すぐ彼に連絡をした。電話にでない。どういうこと?わたしは狂ったように彼がでるまでに電話をかけようとした。

しかし、いっこうに繋がらない。もうどうしようもできなかったので、仕方なしに探偵調査会社におそるおそる電話をかけた。なんで、自分が浮気調査の対象になってしまったのかという変な憤りと、事実をハッキリ知るために仕方なかった。すると、一人の男性がでてきた。とても低い声で落ち着いた様子だったのでそれが逆にわたしには恐怖だった。「すいません、そちらからお電話と手紙をいただいたものなんですが…。どういうつもりなんですか?理由をおしえてください。」このときわたしは冷や汗でびっしょりだった。

浮気調査の人と思われる男性 「あーーー!!!A子さんですか!(たぶん忘れていたような感じだった。。。)Yさんの件でお送りした手紙受け取って頂けたんですね。ありがとうございます、ご連絡頂きまして…。これでご連絡頂けなかったらご自宅へ直接伺おうと思ってたところでしたよ。でしたら、電話ではなんなので直接お会いしてお話しませんか?そのほうがお互いにとっていいと思いますが…。いえいえ取って食おうなんておもってませんから。こちらも仕事なんで…。どうでしょうか?近くのファミレスでもいいですし、喫茶店のようなところでどうでしょうか?」

わたしは正直悩んだ。会ってなにされるか分からないしもしかしたら浮気調査を依頼したYの奥様がその場にいるかもしれない。それを考えるととても怖い。その場に奥様がいないかを男に確認すると、「いえ、お会いさせて頂くのはわたしとA子さんだけの二人です。YさんもYさんの奥様は来ないですよ。安心してください。」

それを聞いて少し安心した。しかし、浮気調査をされた私が探偵と会っているのところを誰かに見られて、また別のよからぬ想像をされても困る…と思ったが、話はするしかないので会う事に了解した。そしてその名古屋の探偵だという男性と日時と待ち合わせの場所を決めた。今週末の土曜日、13:00。場所はとある古びた喫茶店だった。男性のほうから指定されたのだ。

浮気調査の探偵の男と会う約束が決定したが、Y氏から一向に連絡がない。いくらかけても「ただいま電話にでることができません。」だった。LINEで名古屋探偵調査会社から電話や手紙をきたことを伝えたが既読にもならない。

どうしたのか?なにかあったのか?彼と連絡がつかないとなると、土曜日はなにも分からないまま私だけで行かなくてはならない。それは無理だ。でもまた約束をキャンセルするとあの名古屋の浮気調査の男からなにを言われるか分からない。

とにかく今週土曜日までは彼からの連絡を待つことにし、なぜ名古屋の浮気調査の男に会う事なってしまったのかを聞きださなくては。そして、奥様とは離婚するはずじゃなかったのか?を聞きたい…。なぜこんな名古屋の探偵の男から連絡がくることになってしまったのか…。浮気調査の対象者として、探偵と話すことになろうとは…。わたしは彼に騙されていたのか。どうして自分が浮気調査の対象者になってしまったのか…。なにがなんでも彼にも土曜日、同席してもらわなくては。

自分が浮気をしてこんな目に遭うなんて想像もしていなかった。悪い事と分かってはいたが、あの時の自分は完全に頭の中がお花畑になっていたんだから。世の中、探偵という職業の人がいて、名古屋にも浮気調査をしている人が沢山いて、浮気調査だの不倫調査だのってのを仕事にしている人がいるのは知っていたのにまさか、自分が浮気調査をされる側になるだなんて思ってなかった。

今日が名古屋の浮気調査をした探偵事務所の男性を会う土曜日だ。あれからずっと彼から連絡がやはりなかった。

やはり私は騙されていたのか。でももうそれしか考えられない…。

約束の時間となった。13:00に古びた喫茶店についた。ここはクロワッサンがおいしいと有名なところだった。よく思い出してみると昔よく旦那とデートで使用していた喫茶店だった。旦那と結婚して子供が出来たらここの喫茶店にクロワッサンを食べにこようね。と話していたのに。今や、浮気調査をされて、家庭の事を顧みない自分となってしまった自分を情けないとしか言いようがない。

そんなことまでもわたしは忘れかけていたんだ。あのころの旦那はとても優しく、そして私をとても大事にしてくれた。いつから冷め切った夫婦になってしまったのか。マスターに通された奥の席で浮気調査の男がくるまで自分が浮気調査をされてしまった事実を、嘘であってほしいと現実逃避の気持もありながら、この先どうなってしまうのかという不安につぶされそうになりながらいた。

ソファーに座って不安、焦り何とも言えない気持ちで待っていたら、マスターの「いらっしゃい。」という声が聞こえた。よれよれのスーツをきてボサボサ髪の男性がこちらへ向かってきた。なるほど、この人が浮気調査の男か…。その男から名刺をもらった。

「名古屋探偵調査会社 調査員 山下」と記載されていた。まずはその男はマスターにホットコーヒーとクロワッサンを注文した。慣れた様子だったので、浮気調査をして対象者と話すときなんかは、ここを使うのかもしれないな…。少し無言の時間が流れた。私はどのように話を切り出せばいいか分からなかった。その名古屋探偵の男はたくさんの書類をテーブルの上に置いた。

浮気調査をした名古屋探偵の男「ここはクロワッサンがおいしいんですよね。ご存知でしたか?」

なにを言い出すのだこの浮気調査をした名古屋探偵の男は…。でもこの言葉がいいきっかけになったのは間違いなかった。自分は浮気調査をされた人間、人生終わったみたいな気持ちになっていたのだ。

私「クロワッサンがおいしいのは知ってます!あの、そんなことはどうでもいいんです、Yさんの奥様が裁判を起こすってどういう意味ですか?私はYさんがまだ離婚していなかったのは知ってはいましたが、もう別居中だし離婚調停に入ると聞いていました。なので私が慰謝料を支払うのは納得がいきません。騙されていたのは私の方です!」

浮気調査をした名古屋の探偵の男「そうおっしゃいますが、Yさんが別居中とおっしゃったのは確実な情報なのですか?奥様は別居はしていないとおっしゃっていますよ。夫婦仲も円満だそうです。そして調べたらY氏とあなたは不倫をしていた。事実としてはYさんと奥様はまだ夫婦関係が続いているのです。その関係中に不貞行為を行ったということでA子さんは奥様に多大な精神的苦痛を与えたのです。なので、慰謝料を請求されても仕方がないのです。そして、今後一切Yさんと関わらない。それにもし応じられない場合は奥様は裁判を起こすつもりでいらっしゃいます。」

私「それだとYさんが私を騙していたということなるじゃないですか!なのに、私に慰謝料を請求するなんておかしいじゃないですか!!!」マスターもびっくりするくらい大きな声を出してしまった。

浮気調査をした名古屋探偵の男「仮にYさんあなたを騙していたとしても、あなたが不貞行為の相手であることには間違いないんです。ちゃんと奥さんと離婚調停中というのが本当なのかどうかを調べなかったあなたにも問題があるのです。Yさんの言葉だけを鵜呑みにして浮気に奔ってしまったあなたの責任なんです!事実を確認しなかったあなたにも問題があるんですよ。」

私はなにも言い返せなくなってしまった。そのとき、思い出しました。

「Y氏からきたLINEがありました。証拠になるはず!」

私「じゃあ、YさんからきたLINEの内容に別居中で離婚調停に入るという証拠が入ってるんですけど。これは証拠になるのではないでしょうか!?」

浮気調査をした名古屋探偵の男「…なるほど…そのLINEは残っていますか?ちょっと見せてもらってもいいですか?」

私は浮気調査をした名古屋探偵の男に携帯を提示した。浮気調査をした名古屋探偵の男はだまってY氏と私のやりとりのLINEを眺めていた。

わたしは名古屋探偵の男に震える手でY氏から入って来たLINEを見せつけた。

浮気調査をした名古屋の探偵の男「なるほど…。まず解り易く説明しますと、今の現状ではあなたが不貞行為を行ったということについては事実ですよね。それに伴い“その不貞行為が故意または過失”があったかどうかが肝心なんです。このLINEの内容によるとあなたはY氏に騙されていたが、多少の過失があったということになる可能性がありますね。いやいや、故意のほうが悪質とされて慰謝料も高額になるんですよ。過失ということで判断されれば、慰謝料も少額になるんです。ちなみにあなたはY氏とどうなりたいのですか?きっぱりと別れることができますか?」

浮気調査をした名古屋探偵の男から今後Y氏とどのようになりたいかを改めて聞かれた私は…。

私「Y氏と肉体関係があったことは事実です。そして、私の夫婦仲も冷め切っており、Yさんに心の拠り所を求めていたのも事実です。多少の恋愛感情も持ってしまった。でもそれは、Y氏が奥様との関係がよくなかったという言葉を聞いていたからです。そして、奥様の辛い気持ちを考えるとYさんとの関係を続けていくことはもうできません。奥様に申し訳ない気持ちでいっぱいです。」

これがわたしの本心だった。

浮気調査をした探偵の男「そうですか。分かりました。このLINEの画像を証拠としてとらせて頂いてもいいですか?Yさんはあなたを騙して不倫関係になろうとした。奥様にお見せして、あなたの慰謝料請求がどうにかならないか掛け合ってみます。減額ができればいいほうかな…。まあ過失があるということで、多少の慰謝料請求はあるかもしれませんが、そのときはお願いしますね。あともう一つ、今後一切Yさんと会う事、連絡を取る事を一切しないという念書を一筆書いていただけますか?」

最初は頼りなさげだった名古屋の浮気調査をした探偵のこの男はたんたんと話しを進めていき、私はもしかしてこの男、実は頼りになる男なのか?と少し見直してしまった。そして私はためらうことなく、名古屋の探偵の浮気調査を行った男が用意した念書に署名捺印をした。

名古屋の探偵の男はクロワッサンを真ん中からほおばりながら、「あなたも大変ですね。不倫する男なんてろくなもんじゃないんですよ。まああなたも騙されたとはいえ、お互い様と言いますか。あなたもご家族がいるんだから、もう少し責任ある行動をとったほうがいいですよ。じゃあまた進展がありましたらお電話致します。」といってコーヒーを一気に飲み干してあわてて店をでていった。

浮気調査の男が喫茶店を去ってからしばらくボーっとしてしまった。

私もクロワッサンを注文して、いろいろ考えた。だれが悪いって平凡な毎日をつまらなく感じ、浮気をしたいと思ったのは他でもない自分だ。旦那と向き合っていなかったのは自分だったのだ。旦那を思いやる気持ちが欠けていたのだ。だから、旦那も浮気に奔っているのだと思う。全部身から出た錆びなんだ。

でも、旦那が浮気している証拠なんてなにもない。しまった、きちんと浮気調査をしてもらうんだった。もし離婚してほしいと言われても私は拒否することもできないし離婚は仕方がない。私がY氏と浮気していたことは正直に話してみようと思う。

浮気調査の名古屋の探偵と話合いが終わって家に帰ると、子供たちと旦那が楽しそうにゲームをして待っていた。こんな当たり前の風景が無くなるのはとてもつらい。でもそれを失うような不倫をしてしまった私の責任であるし、自業自得なのだ。なので、私は気持ちを切り替えて普通に

「ただいま~。」

と言って、晩御飯の支度に取り掛かった。

子供たちと旦那がおなかすいた~と騒いでいる。なので今日は旦那と子供たちが大好きなハンバーグにしよう。

子供達と旦那が好きなハンバーグを食べ終わり、久しぶりに四人でみんなでお風呂に入って子供たちが寝たあとに、旦那がワインを飲んでいた。

「お前も飲む?」

と言われて、

「うん。」

と向かいに座った。

子供たちが寝た後は本当に静かだ。

「あ、そうだ!」

と言って、旦那のカバンに中から何かを取り出した。

「この前の出張先で買って来たんだ。出張から帰ってから渡そうと思ったんだけど、お前機嫌悪かったから…。いつもありがとうの気持ち。気に入ってくれるといいんだけど。」

なんで、このタイミング!

涙が溢れてきて、尋常じゃないくらい泣いてしまった。

昼間に浮気調査の男と話したことが、頭に次々と浮かんできた。

旦那が浮気していると思い込んでいたわたしは間違っていた。

旦那が浮気をしているなんて疑わなかったらどうだのだろう。それでも私は浮気調査を受けるような行動に出ていただろうか?

もう全てを失ってしまう。あの何気ない生活・子供たち・すべてだ。

旦那は私が尋常じゃない位泣いていた私になにかを察知したようだった。

「ど、どうした?なにかあったのか…?」

笑顔だった旦那の顔がとても心配そうな顔にかわった。今話すべきではないだろうけどもう隠すのは限界だ。もう仕方がない。

浮気をしていたのは私だけだったんだから。

私は涙をこらえて自分が浮気調査の対象となって、相手の奥さんから慰謝料を考えているという事実を旦那に伝えた。

「ごめんなさい、SNSで知り合った男性と浮気をしてしまったの。でもその男性が離婚調停中ということで私も浮気に奔ってしまったんだけれど、その男性の奥様が名古屋の偵を雇って証拠を集めて、私に慰謝料を請求すると言われたの。まだいくらか分からないんだけど…。こんなことになって本当にごめんなさい。でも浮気をした理由なんて特にないの。ただ寂しかったから。でももうその男性とは会わないという約束をしたわ。私たちもう無理よね。」

私が泣きじゃくって心配そうだった旦那の顔が今にも怒り出しそうな厳しい顔にかわっていった。

「そうだったのか。僕の責任でもあるのかな。忙しかったから寂しい思いをさせていたのかな。分かった。しばらく考えさせてくれ。」

それだけを言い残すと、旦那は子供たちが寝る子供部屋へ行ってしまった。旦那と子供を失う…。やっぱりもう無理だね。浮気調査をされた妻なんて、冗談じゃなよね?後悔しかない。Y氏とのあの時間をなかったことにできるのならしてほしいと心の底からわたしは祈った。

私は旦那からもらったネックレスを握りしめて泣いた。

次の日、朝起きたら旦那と子供たちがいなかった。もしかしてでていったの!!!慌てて家中を探すと、リビングの机の上にメモが置いてあった。

「ちょっと散歩行ってくる。パパより」

朝食を作って待っていよう。

「ただいま~!」

子供たちの元気な声が聞こえた。作りたてのホットケーキをみるなりとても喜んだ。すると、旦那が私を呼んだ。

「ちょっと外来て。」

私は何を言われるのかドキドキしながら外へ出た。離婚を切り出されたらもうそれは仕方がない。

「はっきり言って浮気をしたって聞いて、離婚を考えた。でも、子供達と朝、話をして、パパとママが最近仲良くないから悲しいって言われた。子供のことを考えると離婚はよくないんだろうと思ったから、離婚はしない。でも約束して欲しい。もう浮気をしない、その浮気相手と絶対会わないと。約束やぶったら次は離婚をする。それでいい?」

私は泣いてうなずいた。

「慰謝料も請求されたんなら僕が払う。どんな理由であれ、浮気調査の対象者となって、相手の奥さんを傷つけたの間違いない事だから。で、かわりと言ってはなんだけど、僕が浮気相手の男に慰謝料を請求しようと思う。その名古屋の探偵の連絡先を教えて。」

わたしたち夫婦は今回の自分がされた浮気調査の件で、離婚という結果では無くて、わたしの主人がわたしの浮気相手であるY氏に慰謝料を請求するなんて驚いた。旦那様としては、自分も妻に配慮が足りなった部分があったと、反省した点があるようだった。そのせいで妻は騙されたのだという理解をしてくれたのだと思う。騙されたといは言え、私のしたことは、浮気以外のなにものでもないのだが…。たんたんと話す旦那に私は少々驚きを隠しながら以前に名古屋の探偵の男からもらった名刺を旦那に渡した。浮気調査をうける妻でごめんなさいという気持ちを込めながら。

あれから2か月。それ以来旦那から浮気のことや名古屋の探偵の男に連絡をとったという話がなくなった。わたしはもちろんあれからY氏とも連絡をとっていない。あの名古屋の探偵事務所の男からも連絡がない。それが多少心配ではある。自分の人生に、浮気調査を受けたという烙印を押された気分で、とても苦しい。

気になりながらもしばらく経ったある日、名古屋探偵調査会社と記載された郵便物が届いた。名古屋市○○同じ住所だけど、宛名は私と旦那あてに2通届いた。旦那の郵便物は勝手に開けれないので、自分のだけを空けたら…。

Y氏の奥様が慰謝料請求を取り下げるといったものだった。これはいったいどういうことだろう。

名古屋で仕事をする旦那にすぐ連絡をした。すると、旦那は、「自分あてに届いた郵便物も開封していいからあけて!」と言われたのであけたらこう書かれていた。

名古屋探偵調査会社から主人宛に届いた封書の中身を空けてみた。

「御主人から請求された慰謝料とY氏の奥様から請求させていただく慰謝料を相殺という形でこちらも了解しました。」といった内容のものだった。旦那が名古屋の探偵の男と掛け合ってくれたのだろう。

そんなこんなで私の浮気が発端で、浮気調査を受けることになってしまった私だが、それから私たち夫婦はいい関係にもどったというか、以前よりも仲が良くなった。お互いの思いやりの気持ちを忘れないようにしようと心掛けている。

ばれなきゃ浮気はしていいというのは、間違いだ。ほんの1回の過ちで、夫婦の関係が駄目になってしまうこともある。

たまたま、私の旦那様は、理解あって今回限りは許してくれただけに過ぎないのだ。

名古屋の友人達も、今回の事で、気が引き締まったわー!なんていってはいってはいたけど、きっと心の中では自分に限って浮気調査されるなんてないわ~って思ってそう。

浮気調査されて初めて気が付くんだ。失ったものの大きさに。

友人も実際に浮気調査をされてみなければ分からないのかもしれない。

結局は、浮気調査をされてすべてが暴かれ、浮気調査の対象者になったものも、それに関わる家族もみんなが傷つくんだ。今回自分が思いもよらない形で、自分が浮気調査の対象者になっていたことで、よく身にしみて分かった。

でも、浮気をして、浮気調査を受け、相手の奥さんから慰謝料を請求される事態に陥っても、旦那との関係が修復できたことだけは今回の浮気でただ一つ感謝することかな。心の広い旦那さまで良かった。

でも、もう浮気はこりごりだ。

というより、浮気調査をされるのはこりごりだ。

あんなふうに浮気調査の結果をつきつけられるなんて、考えただけでぞっとする。